Paul. H. Young Co.Rod Driggs

ヤング ドリッグス イメージ

Midge、Martha MariePerfectionist、Parabolicシリーズなどと並んでDriggsもポールヤング代表作の一つとしてよく知られたモデルです。今回のロッドは70年代中頃ジャックヤングの時代の作品だと思われます。この70年代中頃はグラスロッドが普及し始めた時代でスプリットケーンロッドの行く末に暗雲が立ち込めてきた頃ではないでしょうか。

今ではグラファイト、グラスなど色々な素材でフライロッドが作られています。よくヤングやペインの作品は「グラファイトロッドみたいなバンブーロッド」などと言われることがありますが、言うまでも無くこれらのロッドはグラファイト素材が現れるずっと以前にデザインされたロッドで多くの作品は現在でも名作として語られています。「バンブーらしさ」とか「グラファイトっぽい」などと言う概念は一切なく、トンキンケーンでいかに高性能のロッドを作り出すかということだけに集中した結果、誰でも扱いやすいこのようなアクションに行き着いたと思います。

様々な素材が普及している現在、これら新素材のロッドはバンブーロッドのアクションデザインのアプローチに悪影響を与えている場合が結構あるのではないかと考えることがあります。グラファイトロッドに対して「バンブーらしさ」をいかに出すかということを考えすぎていると思うのです。このことを突き進めていくと非常にマニアックで慣れが必要な扱いにくいロッドになってしうのではないでしょうか。

話題がDriggsからずいぶんと外れてしまいましたが、単純にバンブーロッドである前に誰でも扱いやすいフライロッドであることが先ずは重要ではないかということです。

外観の一番の特徴はかなり細身のシガーグリップにブラックアルミ製ダウンロッキングリールシートをあわせていることでしょう。この組み合わせは今ではあまり見かけませんが、実際に見ると凄くかっこいいです。ロックスクリュー部分のスレッドのピッチが大きいのも私が気に入っているところです。
ラッピングなどはヤングらしくシンプルです。フェルールはスーパーZタイプのものを使用していています。

アクションは同じヤングのパーフェクショニストに比べるとバット支点で動くヘビーティップバットアクションで私の感じではDT#4がピッタリだ
と思いました。特にバットのバネでロッドが自動的にロングキャスティングをしてくれる感覚が味わえるとても楽しく気持ちのいいロッドです。